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 村川大介三段に聞く
    関西棋院期待の若手「上位棋士に勝ちたい」

   囲碁の若手有望株として最近、井山裕太七段(日本棋院)がめきめき売り出しているが、関西棋院の期待を一身に集めているのが村川大介三段だ。井山七段より1歳年下の15歳。11歳11カ月での入段は、関西棋院の先輩である橋本昌二九段、結城聡九段の12歳1カ月より2カ月早い最年少記録。入段の仕組みが日本棋院と違うため単純な比較はできないが、井山七段と比べても1年近く早い。今春、中学卒業後は高校に進学せず、プロ棋士に専念するといい、これも井山七段と一緒。まだ、高段者や東京の棋士と当たる機会が少ないため、知名度では後れをとっているが、今後、同じ関西の若手ライバルとしてしのぎを削ることになれば、日本の囲碁界は一段と面白くなる。
(聞き手は日本経済新聞社文化部編集委員 木村 亮)

――まず、囲碁を始めた経緯から教えて下さい。

11歳11カ月でデビュー。関西棋院のホープとして期待が高い村川大介三段
 サラリーマンの父がアマ四段程度の腕前で、5歳のとき、その父に手ほどきを受けました。本格的に始めたのは小学校に入ってからで、家の近所(甲子園)にある碁会所でアマの強い人に教えてもらいました。学校が終わると夕方6時か6時半ごろまで毎日のように行きました。初段になるまでは、よく同年代の子供と打っていましたが、すぐに相手がいなくなり、あとは大人と打っていたように思います。その碁会所では入門教室から始めたのですが、割と早く上達し、小学校3年でアマ6−7段になりました。

――その辺りからプロを目指したのですね。

 小3のときに関西棋院の院生になり、大阪・福島の関西棋院囲碁学園に通って勉強しました。週3回のペースで夜8時ごろまで、院生同士で打ったり、プロに教えてもらったりしました。師匠の森山直棋九段や横田茂昭九段といったところに2子とか3子で打ってもらい、なかなか勝てなかったのを覚えています。院生10級からスタートし、(院生二段格まで上がって)入段したのが小6の11月でした。

――プロになってからの成績は自分でどのように評価していますか。

 最初の年が14勝14敗、2年目が24勝13敗、そして3年目にあたる昨年が13勝10敗でした。2年目より3年目の勝ち星が減っているのは大手合制度がなくなったためで、内容的にはあまり変わってはいません。この間、因島(広島県)で開かれるプロ、アマ混合のトーナメント戦で優勝したことはありますが、いずれにしろ満足のいく結果ではありません。結城聡九段や坂井秀至七段といったトップクラスの先生にほとんど勝っていないからです。昨年までだと宮本義久先生に一度勝ったぐらいでしょうか。

 今年になって久保勝昭先生や長谷川直先生に勝つことができ、この流れを持続していきたい。当面は来週、新人王戦で河野臨天元に当たります。タイトルホルダーと戦うのは初めてなので、頑張りたい。とにかく思い切りぶつかりたいと考えています。

――普段はどのように勉強をしていますか。

 家で棋譜を並べるのが中心ですが、インターネットで対局することもありますし、関西棋院などで行われる研究会にも顔を出します。滝口政季九段、瀬戸大樹六段らによく教わっています。熱海で行われた『秀行塾』にも2年続けて参加しました。藤沢秀行名誉棋聖は、私が大変、尊敬している棋士で、棋譜もよく並べています。間近で棋譜を厳しく批判していただくのは、とても勉強になります。

――棋風も似ている?

新人王戦の1回戦では河野臨天元との対戦が決まっている。「とにかく思い切りぶつかりたい」と抱負を語った
 秀行先生のように手厚く打って、厳しく攻めるという碁が好きです。同じような意味合いで高尾紳路本因坊の碁も好きですし、関西棋院では結城九段や今村俊也九段の棋譜もよく並べます。自分では、腕力には多少、自信がありますが、ヨセはあまり得意ではありません。

――昨年、中国へ行きましたね。

 若手棋士同士の交流という週刊碁の企画で、昨年の10月に行きましたが、結果は2勝4敗と厳しいものでした。日本では年下の人に負けることはなかったのですが、中国には年下でも強い棋士がいて、結構、負けてしまいました。以前、院生のときにも行きましたが、向こうの棋士と打つのは大いに刺激になります。

――中国で井山七段と一緒だったのですね。

 そのときは少ししゃべっただけですが、とにかく最近の活躍ぶりはすごいと思います。もともと井山さんは小学2、3年のときに小学生名人になりましたが、私の場合は3年のときに全国大会で2回勝っただけ。2年のときは県大会で負けました。4年からは院生のため出ておらず、小学生時代から実績では大差です。私もはやく関西棋院内の枠抜け戦を勝ち抜いて、東京の棋士との交流戦に出られるように頑張りたいと思います。年間20勝というのが当面の目標です。

――囲碁以外では何を?

 関西棋院にサッカーのチームがあり、そこに所属して時々やっています。将棋連盟のチームなどとたまに対戦する程度ですが、気分転換になるし、碁に集中するのにも役立っていると思います。



村川 大介(むらかわ・だいすけ)三段
 1990年12月14日、兵庫県生まれ。森山直棋九段門下。2002年11月入段、05年6月三段。03年に関西棋院・永井賞受賞


 
[2006年2月22日 掲載]

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